禁煙成功への道

タバコに含まれる有害成分

タバコが体に悪いということは、今や誰もが知っていることですが、具体的にどんな有害物質が含まれているかご存知でしょうか。こうした有害成分についての知識を得ることは、禁煙にとっては意外と大切です。「なんとなく体に悪そうだから」では禁煙できなかった人でも「体にこんな影響を及ぼすこんな成分が含まれているから有害だ」ということを知ったことで禁煙できる場合もあります。タバコに含まれる代表的な有害成分は、ニコチン・タール・一酸化炭素です。これらの成分はひとつだけでも体に害を及ぼす成分なのですが、タバコには3つの成分がたっぷり含まれており、その相乗効果もあって多くの人が思っている以上の悪影響を体に及ぼします。

ニコチン
タバコの中毒性のもととなっているのがニコチンです。ニコチンは脳に軽く興奮したような感覚をもたらすため、その感覚を得るためにタバコに依存するようになってしまいます。そのほか、ニコチンには血管を収縮させる効果もあり、体全体の血流を悪くしたり、動脈硬化や腎臓病などを引き起こしたりすることもあるのです。タバコをやめようと思っても、吸いたくてイライラしてくるのはニコチンの働きによるもので、段階的にタバコを止めるために少量のニコチンを摂取するニコチンのパッチなどを使うこともあります。

タール
黒褐色のドロドロとした液体状のタールを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、あれがまさにタバコに含まれているタールです。タバコの吸い殻のフィルターが茶色くなっていたり、喫煙者の自宅の壁が黄ばんで来たりするのは、タールの含まれた煙が付着することが原因。煙で壁が茶色くなってくるということは、もちろんその煙が通過する体内にもタールはベッタリと付着しています。喫煙者の肺が真っ黒だなどということがよくありますが、これはまさにタールによるもの。色が付くだけではなく、タールには多くの発がん性物質が含まれているので、非常に健康には悪い成分になります。

一酸化炭素
一酸化炭素が体に及ぼす最も大きな影響は、酸欠を招くということです。吸収された一酸化炭素は、肺から血管に入って血液中のヘモグロビンと結合します。しかし、ヘモグロビンの本来の働きは酸素と結びついて酸素を全身に運ぶこと。一酸化酸素と結合してしまうことで酸素を運ぶヘモグロビンが足らなくなり、全身に必要な酸素が行きわたらなくなってしまうのです。毎年、換気不足による一酸化炭素中毒による死者がでるなど、摂取量によっては死を招くほどの成分なのです。