禁煙成功への道

タバコを取り巻く社会事情

タバコをとりまく社会事情は、この数十年でずいぶん様変わりしました。数十年前は、飲食店でタバコは当たりまえ、喫煙者はどこでも自由にタバコを吸い、自動販売機などで簡単に購入することができました。タバコを吸う男性の姿がかっこいいという女性も多く、白い煙を吐く姿に哀愁を感じると言われたものです。しかし、現在は違います。喫煙率は年々減少して現在は約20%、男性でも約32%ですから、喫煙者はかなり社会的マイノリティになりました。しかも、タバコの有害物質などに関する情報が広く知れ渡るにつれて喫煙できる場所も限られるようになり、喫煙場所の設置や分煙は当たり前、さらには全面禁煙の飲食店が主流になりつつあります。喫煙者は「臭いが嫌」と敬遠されるようになり、家の中での禁煙は拒否されて換気扇の下やベランダで喫煙する人が増え、それすらも流れてくる煙が迷惑と近所の人とトラブルになるケースも現れ始めました。もはや、喫煙は社会的には迷惑行為になりつつあると言っても過言ではないかもしれません。

行政や医療機関でもタバコに関する規制や禁煙のサポートを行うことが多くなり、タバコの箱には健康に害があるということを明記することが義務づけられ、度重なる増税で一箱あたりの価格も値上げされ、登録制によるタスポというカードがないと自動販売機での購入はできなくなりました。禁煙外来を設置する病院は増えており、保険が適用されることからも受診しやすい環境が整いつつあります。また、行政が積極的に禁煙マラソンを取り入れるなど、街ぐるみで禁煙に取り組むところも増えてきているのです。実際のところ、現状でタバコを吸っているのはよほどタバコが好きな人か、やめられない人と言ってもいいくらいで、「どっちでもいいけど、なんとなく吸っている」という人はほとんど禁煙してしまったように感じます。若い人の喫煙率が特に減少しており、若い人は吸わないのが当たり前になりつつあるため喫煙者の人口はさらに減少することが予想されますし、喫煙者はますます肩身が狭くなるでしょう。禁煙の難しさを考えると、若い人は特にはじめから吸わないようにしたいものです。