禁煙成功への道

喫煙を再開しないために

せっかく禁煙に成功しても、軽い気持ちでたった1本のタバコを吸ったばかりに再びタバコを吸い続ける生活に逆戻りしてしまう人が少なくありません。もちろん中には禁煙してしばらくしてからタバコを吸ったら、全く美味しく感じなかったという人もいますが、それを試すために吸ってみるのはリスクが高すぎます。1本くらい大丈夫、という意識が、禁煙には大敵なのです。たとえタバコを止めて何年、何十年たっても、非喫煙者に戻るわけではなくて、長期間の禁煙に成功している喫煙者にすぎません。しかも、喫煙の経験があるだけに喫煙の習慣に戻るのはとても簡単で、おどろくほどあっけなく禁煙の誓いを破ってしまうことが多いのです。

1年禁煙しても10年禁煙しても、ふと魔がさしたようにタバコを吸いたくなる瞬間はあります。ふっと手持無沙汰になったり、飲み会で隣の同僚が美味しそうに煙草を吸っていると、1本だけ、と手を伸ばしたくなることもあるでしょう。しかし、そんな時にはつらかった禁煙の日々を思い出してください。禁断症状に苦しんだ数日間、タバコのない習慣と戦った数か月間を乗り越えて、ようやく禁煙できたのです。魔が差したように吸いたくなる時の1本は、禁断症状のあったころの1本に比べると誘惑も強くないはずです。その頃の我慢に比べれば、ずっと耐えやすいのではないでしょうか。

そして、大切なのが魔がさして1本だけ吸ってしまった後です。「一本吸ったんだからどうせ禁煙は失敗」と喫煙者に戻ってしまう人と、本当に1本だけで再び禁煙を続けられる人がいます。禁煙とは、タバコを吸うための「言い訳」との戦いです。「1本吸っちゃったんだから」というのは、その言い訳のひとつにすぎません。1本吸ったんだから、喫煙者と同じですか?そんなことはありません。世の中には興味本位で昔1本だけ吸ってみたけどという非喫煙者はたくさんいます。魔がさして1本吸った後も意志を固く持って禁煙を続けれるか、それが禁煙の継続には意外と大切になってくるのです。