禁煙成功への道

「禁煙セラピー」とは?

「禁煙セラピー」というのをご存知でしょうか?特殊なカウンセリングや専門機関をイメージさせるタイトルですが、これは小さな一冊の本です。1996年に発売されて以来、今でもトップクラスの人気を誇るセラピー本になります。そのサブタイトルには、「読むだけで絶対やめられる」と書いてあり、実際に読者の90%が禁煙に成功したという驚異的な本なのです。

著者のアレン・カーは、禁煙前は一日100本のタバコを吸うヘビースモーカーだったそうです。そんな彼の言葉だからこそ説得力があるのでしょう。「タバコをやめないとこんなに害があるぞ」と脅迫するのではなく、「タバコを吸わないとこんなに幸せになれる」と夢のような話が書いてあるわけでもなく、喫煙者が感じているタバコを吸わずにいられないという強迫観念のようなものを一つずつほぐしてくれるような内容になっています。禁煙しなきゃ、というよりは、タバコをすわなくてもいいかな、という読後感によって、無理なくタバコを止められるのが人気の理由かもしれません。実際、この本にはすぐにタバコを止めろとは書いておらず、むしろ読み終わるまでは吸い続けてくださいといった文章で始まります。タバコを吸いながら読んでいるうちに、タバコの必要のなさを徐々に実感させていくのです。ヘビースモーカーだった著者の言葉に、読者はタバコを止められずにいる言い訳を見透かされたかのような感覚を持ち、納得しながらタバコから離れることができます。上から目線ではなく、淡々と述べるような書き方なので、喫煙者に反感を抱かせることもありません。

テレビで芸能人が「禁煙セラピーでタバコをやめた」と絶賛したこともあって、発売後日本でも大ブームとなった禁煙セラピーは、アマゾンのレビューでも「これを読んでタバコをやめた」という声が相次ぎ、447もあるレビューで星の平均が4を超えるなど、その効果はかなり期待できそうです。もちろん、すべての人に効果があるというわけではなく、読んでも全く禁煙する気にならなかったという人もいますが、中には何度か読むうちにタバコをやめる気になったという人もいます。小さな新書版の本ですので、禁煙のきっかけを探している人は、一度読んでみても損はないのではないでしょうか。